面接だけでは見抜けない“リスク”にどう向き合う?

2025.5.23

目次

採用活動において「即戦力として活躍してもらいたい」と思って内定を出したはずが、入社後に想定したパフォーマンスを発揮してもらえない──そんな経験を持つ企業は少なくありません。

特に、書類選考や面接では見えづらい、精神的な不調や企業風土との不一致といった"目に見えないリスク"は、採用のミスマッチにつながる大きな要因となります。

こうしたリスクに企業はどう向き合い、どのようにして採用判断の精度を高めていくべきか。

今回は、営業職としてクライアント様の現場の課題に日々向き合う桑田さんへのインタビューを通じて、「バックグラウンドチェック」の重要性とその活用方法について掘り下げていきます。

1. 面接だけでは見抜けない“リスク”にどう向き合う?

入社後に判明する”メンタル不調"や"カルチャーミスマッチ"

── 書類選考や面接だけでは、候補者のリスクを見抜くのは難しいのでしょうか?

桑田 : 難しいですね。特に精神疾患や社風との相性などは、書類選考や面接では判断がつきづらい部分です。

実際に「入社後にメンタル不調が判明したケース」は、人事の方からよく伺います。

ただ、そのメンタル不調が悪いということではなく、「事前に知っていれば、入社後に配慮や対応ができたのに」という後悔の声が多いです。

── 具体的には、どのような点で企業が困るケースが多いのでしょうか?

桑田 : 「"採用時に想定していた働きぶり"を発揮してもらえない」という点で、お困りの企業が多いです。

特に、中途採用の場合は「即戦力としての期待」が大きいので、企業にとっては大きなダメージとなります。

また、カルチャーが合わないといった、「価値観や働き方のズレ」も多く聞かれます。

そうなると、業務パフォーマンスだけでなく、チームとの連携や社内の雰囲気にも影響してしまいます。

だからこそ、人事の方からは「採用のミスマッチを未然に防ぎたい」という相談をよく受けますね。

リスク=不採用ではなく、"配慮"と"最適配置"への第一歩

── そうしたリスクを、企業はどう受け止め、どう対策すべきだと考えますか?

桑田 : 必ずしも、「リスク=悪」ではないと思うんです。

重要なのは、事前にその情報を把握できていたかどうか。

事前に分かっていれば、適切な配属やフォロー体制を整えることができます。

「リスクがあるから採用しない」ではなく、「知っていれば対応できたのに」という後悔をなくすための手段として、バックグラウンドチェックを活用していただきたいです。

2. 書類選考や面接では見抜けない「背景」をどう調べるのか?

候補者の背景を把握する方法

 ── 候補者の過去や人物像を、企業はどのように把握するべきなのでしょうか?

桑田 : 「書類選考や面接だけでは限界がある」というのが現実です。

そのため、企業には第三者による調査の活用をおすすめします。

弊社では、主にバックグラウンドチェックとコンプライアンスチェックという2つの軸から、書類選考や面接では見えづらい情報を多角的に調査しています。

バックグラウンドチェックでは、過去の勤務先へのインタビューを通じて、コンプライアンスチェックでは、SNSや公的公開情報などのWEB情報データを通じて、調査を行います。

それぞれの調査から、候補者の経歴、働きぶり、人柄、辞め方、トラブルの有無などを、公平な視点で評価します。

バックグラウンドチェックとリファレンスチェックの違い

── バックグラウンドチェックは、リファレンスチェックという呼び方もありますよね? 両者の違いについて教えてください。

桑田 : どちらも過去の勤務先へのインタビュー調査ではありますが、回答者が異なります。

バックグラウンドチェックは、過去の勤務先に1件1件電話して、インタビューを実施していきます。

一方、リファレンスチェックは、候補者が自ら推薦者(上司や同僚など)を立てて、その方にインタビューをする形式です。

インタビューの内容としては、候補者の在籍確認、勤務態度、評価などとなります。

── バックグラウンドチェックとリファレンスチェック、それぞれのメリットやデメリットはありますか?

桑田 : 回答率や、情報のリアルさにおいて、両者メリットとデメリットがあります。

バックグラウンドチェックのメリットは、ポジティブ・ネガティブ両面を含む"リアルな情報"が得られるのが特徴です。

ただ、インタビュー先の企業によっては「個人情報の兼ね合いで回答できない」というケースが一定数あるので、回答率が100%ではないのが課題のひとつです。

一方、リファレンスチェックは推薦者にインタビューを実施するので、ほぼ100%に近い回答率というのがメリットですね。

また、推薦者からの情報なので、基本的にポジティブな内容が多く、ネガティブな情報が出にくい傾向があるため、「"リアルな情報"を確認できているか」という点は注意すべきポイントかなと思います。

個人情報保護に配慮した、安心して使える仕組み

── インタビュー先の企業も慎重に回答しているようですね。デリケートな情報を扱う中で、法的なリスクはないのでしょうか?

桑田 : もちろん、弊社の調査は、個人情報保護法や労働基準法に抵触しない運用を行っています。

調査を行う際には、選考の段階で候補者による同意書を必ず取得していますし、在籍確認に関しても、配慮した対応をとっています。

情報の収集先が回答を渋るケースも一部ありますが、それも含めて訓練を受けた調査員が適切にヒアリングを進めていますので、安心してご活用いただける設計になっています。

3. トラブルを未然に防ぎ、最適な採用を叶える“情報の力”

ポジティブな情報も拾える“後押し”のツール

── バックグラウンドチェックを導入することで、企業にはどのようなメリットがありますか?

桑田 : 一番は「採用判断の精度が上がる」ということです。

例えば、面接時には見えなかった懸念点が事前にわかれば、配属先の調整やフォロー体制の構築といった準備ができます。

また、弊社のバックグラウンドチェックは、懸念点だけでなく、候補者のポジティブな情報も収集しています。

そのため、採用するかどうか迷っている場合、ポジティブな情報は、採用判断を後押しすることができます。

── 「リスクを見つける」ことが目的ではないんですね?

桑田 : そうなんです。

「アラ探しのための調査ではないか」と思われることが多いのですが、決してそうではなく、“備えるため”の情報収集です。

個々の特性に応じた配属や、懸念点に応じた教育を行うことで、前向きな活用ができるんですよ。

採用を見送るためではなく、ミスマッチを防ぎ、長く働いてもらうためのツールなんです。

導入企業が語る、コスト以上の納得感と価値

── 実際に導入された企業の事例や、評価はありますか?

桑田 : 「リスク回避はもちろん、ミスマッチ対策もできて助かる」という声が非常に多いです。

実際の導入事例ですと、「ネットリテラシーが低い」という調査結果が出た候補者を採用したケースがありました。

その企業は、「採用後にネットリテラシーに関する教育をする」という事前対策ができたので、候補者のスムーズな入社にご活用いただけました。

やはり、人材の採用って企業にとっては大きな投資ですから、その判断材料として活用いただけるのは大きな価値だと感じています。

4. まとめ

採用における失敗は、企業にとって大きな損失につながります。

書類選考や面接だけでは分からないリスクにどう備えるかは、これからの採用活動において欠かせない視点です。

バックグラウンドチェックは、単なる“ふるい落とし”ではなく、候補者に対する理解を深め、適切な判断と配慮を可能にする手段です。

企業の人事担当者にとっても、入社後の適切なサポート体制を整えるための有効な情報源となります。

採用の場面で「知らなかった」ことによる後悔をなくし、「知っていたからこそできた配慮」を実現する。

それが、これからの時代に求められる“リスクに向き合う採用”のあり方ではないでしょうか。

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